
遠視とは
睡眠中などで眼の中にある筋肉の緊張が解けてレンズが薄くなっているとき、眼の内面(網膜)より後方で像を結ぶものを遠視といい、ピントは合っていません(図2)。ただし意識のある覚醒中には、子供や若年者ではレンズが瞬時に厚くなって網膜に像を結ぼうとする働き(調節)のため、ピントは鮮明に合っています(図3)。
子供の場合、遠視であっても調節力が強く、学校の視力検診では発見されにくく、症状が現れないことが多いです。眼科でも、調節を一時的に休ませる目薬を用いて検査してみないと、その程度は正確には判りません。ただし絶えず眼の筋肉が緊張するため、強い遠視、あるいは軽い遠視でも年をとる毎に調節力が低下し、目とからだが疲れやすくなり、集中できないために学習や仕事の能率が上がらないという弊害が現れます。お子様の遠視を擬似体験するために、度が強すぎる近視用の眼鏡を掛けてみてください。大人なら目がクラクラしますが、当の本人は、調節力の強い学童期であることと、その状態以外を知らないために、違和感は自覚しません。
さらに強い遠視では、レンズが厚くなっても網膜に像を結べなくなりますので、視力の発達が止まって弱視になる可能性があります。強い遠視の眼は、弱視を治療あるいは予防するためにメガネなどで必ず矯正しなければなりません。同じ屈折異常の近視と比べると、遠視ははるかに深刻であることをご理解ください。
お子様が遠視であることをご両親に告げると皆様一様に驚かれますが、詳しく検査をすると遠視の割合は意外と多く、5歳以下では5割以上、小学生で4割以上、中学生でも1割以上もあります。

乱視とは?
眼に入った光線が1点で像を結ばない状態を乱視といいます。これではちょっと分かりにくいので具体的にご説明します。黒目の形はバレーボールのような球体ではなくラグビーボールのようなやや扁平な形をしています。遠くからきた光線が黒目に入ると、黒目の上下と左右で屈折が違うため、それぞれ別の点に像を結ぶことになり、これを乱視といいます(図1)。
乱視の眼は1点で像を結べないため、遠くでも近くでも鮮明には見ることができません。軽い乱視では視力不良を自覚しませんが、強い乱視では矯正する以外にははっきりと見えません。
乳幼児の強い乱視、とくに遠視性乱視では弱視になりやすいので要注意です。