西宮市 ふじもと眼科|子供の近視 仮性近視 眼精疲労 視神経乳頭陥凹拡大

ふじもと眼科
白内障日帰り手術 緑内障検診 オルソケラトロジー 子供の近視
目の疾患・治療

近視(仮性近視を含む)

 

近視は治るの?

  近視とは、近くは見えるものの遠くが見えにくい眼の状態です。眼の構造で説明すると、物がはっきりと写る眼の内面(網膜)で焦点が合わず、その手前で焦点が合っています。

近視になるには先ず、「近業を続けることで眼の中のレンズを厚くする筋肉の緊張が亢進すること(偽近視あるいは仮性近視)から始まる」という説が最も多く賛同されています。次に眼の軸が長くなるか(軸性)、眼の中のレンズが膨らんだまま元に戻らなくなる(屈折性)かの二通りの変化を起して真の近視となります(図1)。

 レンズを厚くする筋肉の緊張を解くことで近視が治るならば、その近視はまだ偽近視(あるいは仮性近視)の状態であったと言えます。偽近視の治療として眼科で最も広く行われているのが、筋肉の緊張をとる目薬(商品名:ミドリンM点眼、サンドール点眼)を就寝前に点眼する方法です。これを3ヶ月続けても近視が減らなければ偽近視ではなく真の近視と判断します。他の方法として遠くの景色を長い間見つめる望遠訓練がありますが、医院内では内部の立体風景を5分間眺めるだけで同じ効果を持つ器械(商品名:ワック)で行っております。また低周波や超音波を使った理学的療法も民間で行われています。ただしこれらの治療を行っても近視はほとんど軽減せず、あっても一時的です。偽近視に対する治療を行ってもほとんど治らないことから、権威のある眼科医にも偽近視の存在に疑問を持たれている方がいます。

 子供から大人になるまでの成長期に進行する近視は軸が長くなるタイプであり(軸性)、黒目(角膜)を削って平らにする(レーシックなどの屈折矯正手術)か眼球をひしゃげない限り治ることはありません。実はほとんどの近視がこのタイプです。一方、成人してからコンピュータの画面を長時間見て近視が進んだ方が、結婚などを契機に仕事を辞めてコンピュータの画面を見なくなると、数ヶ月~1年ほどしてから近視が軽くなることがあります。このことからこの近視は眼の中のレンズが膨らんだまま元に戻らなくなっていたタイプ(屈折性)と考えられます。

近視になる、近視が進行する原因は?

 昔から近視を予防する方法として、暗いところで本を読まない、近くでテレビを見ない、遠くの景色を見るようにするなどの言い伝えがあり、耳にされたことがあると思います。ただしこれらの方法は経験的に有効と思われても実証されないままでした。今世紀になって初めて大規模な調査が行われた結果、学童期の近視の進行は、(1)遺伝の影響が最も強く、(2)都市部で早く、(3)I.Q.や学歴が高いほど早く、(4)近業の程度が強いほど早く、(5)太陽光の下での戸外活動によって抑制されることが明らかになりました。これらを咀嚼して要約しますと、パソコン、DSなどの携帯ゲーム、携帯電話などの照明を有する画面が身の回りに数多く存在する日本で暮らし、勉強という近業作業を長時間強いられる学童期の子供たちは近視化する傾向があり、さらに両親のうちどちらかが近視ならば、近視化はほとんど避けて通れないと思います。お子様が近視だと診断されると、そのご両親のなかには子供の近視化を止められなかったのは自分たちの責任と感じて落胆される方がいらっしゃいます。近業をいくら行っても近視にならない子供が一方でいますので、この子供らが正常であって近視になるのは異常と考えてしまいがちですが、いかに気をつけて生活を送っても、『近視になる子はなる』のでご両親に責任はありません。日本で住んでいるかぎり近くを見る機会は非常に多く、近くに容易にピントが合うためには近視化することが自然な反応であり、これは環境に適応する生物の進化そのものであると個人的に解釈しております。

メガネを掛けると近視は進みますか?

 ご両親のなかには、メガネを掛けて近視が進んだことを経験した、もしくはそんな話を聞いたことから、子供のメガネの装用を極力遅らせる方がいらっしゃいます。しかし、必要以上に強い度数のメガネを掛けない限りメガネを掛けることで進行が早まることはなく、メガネを掛けても掛けなくても同じように近視は進むものと理解してください。授業中だけメガネを掛けるような、掛け外しをしても進み具合は同じです。

近視・屈折の図 メガネを掛けたことがなく裸眼でしかものを見ていない子供は、眼を細めたり、横目で見たり、顎を上げたり引いたりして焦点深度を深め、見やすい工夫を無意識のうちにしており、さらにぼやけて見える像を脳が解析して鮮明にもしています。これらの努力により、裸眼視力が近視の程度の割には良いことが多いのですが、メガネを掛けて見やすい環境に慣れるとこれらの努力が必要なくなるので、本来の悪い裸眼視力が浮き彫りになります。また、視力の低下は近視の進行に合わせて図2の斜線のように直線的に低下するのではなく、ほんの少し近視になったら滝から水が流れ落ちるように、0.2ぐらいまでは急激に低下します(図2)。つまり、少し見えにくくなってメガネを掛け始める時期と、急激に視力が低下する時期が重なります。これらの理由により、メガネを掛けると急に進んだという記憶を持つご両親が多いのです。

近視の進行を止める方法は?

 近視の進行を抑制する方法については、今世紀に行われた大規模な調査の結果、以前から効果があると考えられていた低矯正眼鏡の処方も効果がないことがわかり、確実に効果があって実現可能な方法は見つかりませんでした。ただし、近視の進行は戸外活動によって抑えられることから、遠くの景色を見る望遠訓練はその効果が立証されてはおりませんが行う価値はあると思います。また、同じように筋肉の緊張を解くことで偽近視の発生を抑えることを期待して、目薬(商品名:ミドリンM点眼、サンドール点眼)を処方している眼科医はいぜんとして多いです。他には近視の進行を促すような行いを避けることで、必要以上の進行は押さえることができます。例えば日常生活を送るうえで、3ページ上段のことに注意しましょう。

・1時間本を読んだり、40分パソコンや携帯電話の画面を見たら、5分間は遠くを見るようにしましょう。

・本を読むときは30cm以上離しましょう。

・暗いところや寝転がって本を読まないようにしましょう。

・電車のように揺れる移動空間で本を読まないようにしましょう。

・夜更かししたりせず、規則正しい生活をしましょう。

メガネを掛けない事によって起こる問題点は?

 ある程度までの近視ならばメガネを掛けなくても問題はないのですが、中等度ぐらいまで近視が進行しているのにもかかわらずメガネを掛けない場合、矯正しても視力が出にくいことが多く、必要以上の度数のメガネを掛けているケースを時々見かけます。また本来、遠くを見るとき両目はまっすぐ前(開散)、近くを見るとき両目は内による(輻輳)という動作が四六時中行われているのですが、メガネを掛けていないとこの動作がスムーズに行われず、メガネを掛けると物がふたつに見えると訴えることもあり、必要な時期が来ればメガネを掛けさせるべきです。

 黒板の字が見えにくくて学業に支障を来たすにもかかわらずメガネを掛けたくないのは、メガネを掛けると近視の進行が早まるから掛けないという誤った思い込み以外は、ただ単にメガネを掛けることが嫌だからでしょう。ご両親が子供にメガネを掛けさせるのが可哀相というケースもあります。この場合、コンタクトレンズという選択肢もあります。

メガネを掛ける時期の目安は?

 近視のために遠方が見えにくくて困ることを自覚するのは、先ず初めは黒板の字です。席が後ろだと見えにくいので、席を前にしてもらうように学校側で対処してもらいましょう。席を前のほうにしても見えにくいほどの裸眼視力は小学高学年で0.3から0.2ですが、裸眼視力は個人差がありますので、あくまで目安と考えてください。メガネの度数で言うと50cm以上のところにピントが合わない程の近視になっていれば、メガネを掛けることを提案しますし、高校生にもなればもっと軽い近視から必要です。

 軽度の視力低下でも気をつけなければならないのは遠視です。やや強めの遠視でも小学校低学年だと裸眼視力が良いことがあり、学年が上がるにつれて、裸眼視力が低下することがあります。遠視の程度によっては、メガネを常時装用する必要があります。

コンタクトレンズをしてもいい時期は?

 コンタクトレンズをしてもいい時期は、コンタクトレンズの着け外しが問題なくでき、眼にゴミが突然が入っても手を洗ってコンタクトレンズを外すほどの落ち着いた行動ができるようになる年頃であり、目安として中学生です。ただし近視度数が強くて、常時メガネを掛ける必要があるにもかかわらずメガネが嫌で掛けない場合は、小学5年生ぐらいからコンタクトレンズを始めることもあります。

 メガネが必要だが掛けたくないとか、サッカーをするからメガネが掛けられないけど年齢的にコンタクトレンズができない場合、オルソケラトロジーという選択肢もあります。

オルソケラトロジーって何?

 近視の眼には通常のコンタクトレンズは装用しているときだけ遠くが見やすくなりますが、オルソケラトロジー(以下、オルソ)用のコンタクトレンズは夜眠っている間に装用すると、朝にレンズを外しても裸眼で見えるのが特徴です。軽い近視の場合、たった一晩装用しただけで外した直後の視力が1.0以上になります。オルソの原理はコンタクトレンズの鋳型で角膜の中央を平らな形に変えることであり、寝癖のようなもので、毎晩装用することで持続時間が少しずつ延長し,装用開始から1週間ほどで起きている間は良好な視力が保てるようになります。ただしレンズの装用を中止すると、2週間から1ヶ月で元の近視の状態に戻ります。また強い近視の場合には効果は限られ、裸眼で生活ができるほど見やすくはなりません。

 オルソをされて喜ばれるタイプは、日中を裸眼で過ごしたい方、コンタクトレンズの着け外しが自分一人でできない小学生(レンズの装脱着はご家庭で行うため従来のコンタクトレンズより紛失の機会が少なく,ご両親の管理のもとで治療が行えます、また、装着後すぐに瞼を閉じるために就寝中の異物感はほとんどなく、異物感のために子供達が治療を止めてしまうことはほとんどありません)、レーシックができない方(18歳未満の方、適応外と診断された軽度の円錐角膜、手術が怖くてできない方)、空手やボクシングなどの格闘家です。

 オルソは子供から大人まで効果がありますが、特に若い人ほど効果があり強い近視でも矯正できることがあります。オルソが日本に導入された2000年頃は、眼軸の伸長により近視が進むような子供に対しても、オルソには近視の進行を遅らせる効果があるという宣伝が多く見られました。私がこの治療を始めたのが2001年で、当初はその近視抑制効果に懐疑的でしたが、医師の裁量権のもとにこれまで百名以上に行い、そのうち数十名の小学生にも行ったところ、オルソの近視の進行が見られたのは数名であったことから、今ではオルソの近視抑制効果にやや肯定的です。ただし近視抑制を目的に勧めるほど安定した効果は確証できません。また、オルソ特有の合併症は見られず、通常のコンタクトレンズに起こる程度でした。2009年からオルソは厚生労働省の承認を受け、それに伴い日本コンタクトレンズ学会がガイドラインを発表し、いまのところ適応年齢を20歳以上としていますが、当院ではこれまでの経験を踏まえて、ご両親と十分な話し合いの上、20歳未満でも引き続き治療を行っております。

 なお、オルソは健康保険の適応外ですので、いまのところ自由診療であることをご了承ください。

オルソケラトロジーについて詳しくはこちら

 

 

Copyright (C) 2011 ふじもと眼科 All Rights Reserved.