オルソケラトロジーの原理は今から40年以上前に考案されましたが、初期に用いたコンタクトレンズはその効果と安全性が低く、臨床に広く応用されるまでには至りませんでした。近年、レンズの材質の改良、コンピュータによるデザインの改良や研削技術の進歩、および精密な検査機器の開発などにより、オルソケラトロジーが広く行えるようになりました。オルソケラトロジーはアメリカ・ヨーロッパ・アジアなどの国々ではすでに行われており、その安全性は普及したハードコンタクトレンズと同等とされております。

 オルソケラトロジーは眼鏡の代わりだけでなく、コンタクトレンズ装用にわずらわしい汗、埃、強い風などから解放され、サーフィンなどのマリンスポーツ、ラグビーなどの屋外競技、ボクシングなどの格闘技を趣味や仕事にしている方や、オープンカーの運転、庭いじり、あるいは万一の緊急時でも見えるという利点があります。強度近視の方でもオルソケラトロジーをすれば、一定以上の裸眼視力が要求される船舶などの資格試験を受験できるようになります。また、従来のハードコンタクトレンズは異物感のために苦手という方でも、装着後すぐに瞼を閉じるために不快感はほとんどありません。レンズの装脱着はご家庭で行うため、従来のコンタクトレンズより紛失の機会が少なく、お子様の場合でもご両親の管理のもとで治療が行えます。

 オルソケラトロジーは子供から大人まで効果があります。眼の奥行き(眼軸)の伸長により近視が年々進むような成長期の子供には、近視の進行を遅らせることが多数経験されたそうです。今のところオルソケラトロジーにより近視の進行が抑えられる確証はありませんが、今後の治療に役立つように皆さまの貴重なデータを検討し、ご報告させていただきます。
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